ミリ波センサーMilweb® 5つの用途例のご紹介

ミリ波センサーは、30GHz~300GHzの高周波数帯域の電波を利用したセンサーです。
ミリ波を対象物に照射してセンシングを行い、対象物までの距離や角度から位置情報や、対象物との相対速度を高精度に検知できます。
ミリ波センサーには、主に以下の特長があります。
カメラ等のセンシング技術と比べて、
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プライバシーが担保される
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座標情報をデータとして連携できる
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画像処理の多大な開発コストを低減できる
他の電波式センサーと比べて、
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電波干渉や、雨や霧等の環境変化による影響を受けにくい
これらの特長を活かし、自動運転やスマートホーム、ヘルスケアなど、多岐にわたる分野での高精度なセンシングが期待されています。弊社では、「ミリ波レーダー」とセンシングにより収集したデータを処理する「SMK独自開発のアルゴリズム」を組み合わせたミリ波センサー「Milweb®」を開発しております。ここではMilweb®の概要と利用用途をご紹介いたします。
目次
Milweb®概要
Milweb®はミリ波レーダーの技術を用いて「距離、速度、角度等を検知するセンサー」と収集したデータを処理する「SMK独自開発アルゴリズム」を組み合わせたミリ波センサーです。3種類の周波数別アルゴリズムがあり、幅広いニーズにお応えします。

手軽にミリ波センサーをお試しいただけるよう、Milweb®とPC用アプリケーションをセットにした評価キットMilweb® Application Kit(以下、MAK)を周波数別にご用意しております。
MAKの詳細資料は下記より、3種類の周波数別アルゴリズムを持ったMAKの詳細仕様や、PC用アプリケーションセットのGUI等がわかる資料をダウンロードいただけます。
製品
MAK24(24GHz)
人感センサ用途は最大約3m、呼吸数の検知は最大約1m程度までのセンシングが可能です。
MAK60(60GHz)
MAK60は最大10m程度の中距離までのセンシングが可能です。
MAK79(79GHz)
MAK79は最大100m程度(検知対象による)までの長距離のセンシングが可能です。
詳細資料をダウンロードする
会社名/お名前/メールアドレスを入力いただくだけで、下記の情報をご覧いただけます。
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MAK(Milweb® Application Kit)仕様のご紹介
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MAKの中身
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MAKの使い方
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GUIイメージ

Milweb®は、お客様のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
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弊社が今まで培ってきた無線通信技術をベースにしたアンテナ設計や、お客様のニーズに沿ったハードの設計、アルゴリズム開発など、高い柔軟性が特長です。
用途例のご紹介
用途例1:子供の置き去り検知(24GHz)
保育園や幼稚園送迎バスでの置き去り事故防止にMilweb®が活用できます。
Milweb®は車内にいる人間の反射波をセンシングすることで、人の有無を検知します。
送迎用マイクロバスの車内中央部にMilweb®を設置し、車内および車外の各ポジションでの反射波の強度を測定しました。
バス車外は閾値以下、車内は閾値以上の反射波を捉えることができております。
Milweb®を用いることで、人の目やカメラでは死角となる場所の確認が可能になります。 また、緊急通報アラームと連携するなど、検知後のシステム構築を視野に入れ開発を進めています。
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2023年4月から保育園・幼稚園・認定こども園等の送迎用バスには安全装置の整備が義務化されました。


用途例2:居室での見守り(24GHz)
一人暮らしの高齢者や、老人ホーム等の施設で暮らす高齢者は年々増えており、見守りを行う体制づくりの上で、人手不足等の課題があります。カメラ画像・映像を用いたリモートでの見守りに対しては、心理的抵抗やプライバシーへの配慮が必要です。 Milweb®は、非接触かつカメラ画像・映像を利用することなく、居室での見守りを可能にすることを目指しています。
Milweb®を安静状態の対象者から1mほどに設置した場合、非接触で呼吸数を測定できるため、対象者の負担無しで体調不良等の判断の助けになります。
対象者から3mほどに設置した場合、居室内の人の動きを検知することができます。
人感センサでは検知し難いような安静状態の対象者も検知することができます。
目的に応じてアルゴリズムを選択いただけます。
今後も、見守りシステムとしての技術開発に取り組みます。

用途例3:ペット・動物モニタリング(24GHz)
近年、アニマルウェルフェア(※)への注目が高まっており、実現に向け様々な領域の技術開発や法整備が進められています。
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アニマルウェルフェアとは、世界の動物衛生の向上を目的とする国際機関で、日本も加盟している国際獣疫事務局(WOAH)の勧告において、「アニマルウェルフェアとは、動物が生きて死ぬ状態に関連した、動物の身体的及び心的状態をいう」と定義されています。
Milweb®を用いて動物の健康状態の把握、病気や異常行動を早期発見するためのモニタリングが可能であり、動物病院や自宅でのペットの留守番シーンを想定した、バイタルセンシング検証を行っています。

呼吸運動による胸の動きをMilweb®で検知し、そのデータを瞬時に弊社アルゴリズムで解析することにより、リアルタイムに推定呼吸数を表すことができます。
イヌ・ネコ・爬虫類等で安静時の呼吸数や、ケージ内の在不在の検知が可能であり、今後家畜等の大型の動物を含めた様々な動物に対する検証を進める予定です。オンラインでモニタリングを行うことにより動物福祉を向上させるだけでなく、動物病院や畜産業など、動物の世話や管理に従事する人々の労働環境の改善も期待されます。
用途例4:人員・混雑率検知(60GHz)
人の移動、位置、密集度の検知にMilweb®が活用できます。
下図は、実際に人数、位置、密集度をセンシングした結果を示したダッシュボード画面です。
Milweb® Assistant GUI

Milweb® Assistant GUI

人の位置や人数の検知を行うMilweb® Assistantを用いることで、商業施設やビル内のトイレ等個室において、プライバシーに配慮しながら人の検知が可能になります。
施設が稼働している日中は、来館者へ混雑状況の伝達に役立ち、又、長時間滞在を検知することで安全に貢献できます。
夜間においては居残り検知による防犯対策への効果が期待できます。
密集度を検知するMilweb® Assistantでは、店舗やフードコート等の集客・混雑状況の把握、イベント等の突発的な密集を検知し、トラブル回避に繋げることが可能です。
用途例5:接近検知(79GHz)
渋滞を避け公共交通機関のギャップを埋める都市部の交通手段として、マイクロモビリティの普及が進み、これに伴い安全性への懸念が高まっています。
特に電動キックボードやモペット(フル電動自転車)の利用者が増加し、事故の発生率も上昇しています。安全運転をサポートするソリューションとしてMilweb®の活用が期待できます。
100m程度の長距離検知が可能なMAK79を用いて、走行中の車両から、後方の車両がどの車線をどのくらいの距離で走行しているかを識別する検証を行っています。
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センシングの精度は、後方の車両の形状や大きさにより左右されます。
サイクルコンピューターやマイクロモビリティとの連携による、ライダーへの車両接近アラートシステムの構築など、安全な交通環境に寄与するソリューションを目指し、様々な環境下での検証を進めております。

まとめ
ミリ波センサーMilweb®の用途を5例ご紹介しました。
アルゴリズムは全て自社開発のため、ご要望に応じて機能の追加も対応可能です。筐体等のハード面のカスタマイズも含め、多様なニーズにお応えします。
また、SMKでは手軽にミリ波センシングをお試しいただけるよう、センサー本体とPC用アプリケーションをセットにした評価キットMilweb® Application Kit「MAK」を用意しております。
下記より、3種類の周波数別アルゴリズムを持ったMAKの詳細仕様や、PC用アプリケーションセットのGUI等がわかる資料をダウンロードいただけます。
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GUIイメージ

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