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スマートテキスタイル向けコネクタ Washable Textile® Connector Reactex®の開発と活用 

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1.スマートテキスタイルとは?概要と特徴

スマートテキスタイルとは、センサーや電子部品を繊維に組み込み、体温や心拍などを計測できる次世代の布製品です。
SMKはこの技術を支える洗濯可能・着脱簡単なコネクタ「Reactex®」を開発し、衣服や装飾品への応用を推進しています。

このコネクタは電気を通すことができる生地との接続が可能であり、衣服や装飾品等の耐洗濯性を持ちながら、次世代の繊維技術の発展と普及に貢献する事を目指しています。

2.スマートテキスタイル市場規模と成長予測

2.1 世界市場と日本市場の動向

世界市場は急速な成長を見せており2024年に49億米ドル、2033年には285億米ドルに拡大すると予測されています。
背景には、医療・ヘルスケアの遠隔モニタリング需要、スポーツ領域のパフォーマンス分析、ファッションの機能融合、建築のスマート化など、用途の急速な広がりがあります。

日本市場も2024年に2億5,090万米ドルから2033年には15億4,700万米ドルへと大幅な成長が予測されています。
出典:IMARC Group

スマートテキスタイル市場規模と成長予測

2.2 成長を牽引する主要因

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3.スマートテキスタイルとは?用途と従来ウェアラブルデバイスとの違い

3.1 基本概念と用途

本技術は布地に組み込まれたセンサーや電子デバイスを通じて、着用者の体に関する情報をリアルタイムでモニタリングすることができる繊維製品です。これにより心拍数、呼吸数、体温、活動量、姿勢、筋肉の動きなどの生体データを収集することができます。

この機能を実現するためには、電源の接続、センサーの接続、データの送受信用のコネクタが必要です。

基本概念と用途

3.2 従来ウェアラブルとの違い

現在、心拍や歩数計など健康管理につながるウェアラブル端末が普及しています。これらは時計型やブレスレット型などがありますが、スマートテキスタイルはそれらとどのように異なるのでしょうか。

「従来のウェアラブルデバイスより広範囲のセンシングが可能」

衣服にセンサーをセットできるため、ウェアラブル端末と異なり全身のデータを収集し、より詳細なヘルスケア関連のデータを統合的に取得、分析することが可能になります。これにより健康管理や医療、介護において重要な役割を果たします。
また、スポーツ分野では全身の筋肉の動きを計測することで、科学的な観点でのフォームの観測や負荷の計測が可能になります。
さらに、ゲームなど幅広い分野への利用も期待されています。

従来ウェアラブルとの違い
従来型ウェアラブルとスマートテキスタイルの違い

4.コネクタ開発の課題と解決策

4.1 コネクタに求められる要件

この革新的な技術の活用を実現するためには従来型のコネクタでは対応が難しい点がありました。
なぜなら体に着用するため、邪魔にならないサイズや柔らかさが必要であり、さらに洗濯可能であることも求められるからです。

また不意の脱落を防ぐ接続安定性と、柔らかい布上で簡単に着脱できる容易さも必要です。これらの要件を満たすことがスマートテキスタイル向けコネクタの条件となります。

  • 洗濯機の強い水流や回転による物理的ストレスへの耐久性
  • 繊細な電子部品と繊維の接合部の安定性確保
  • 電子部品と繊維製品の異なる世界の融合
コネクタに求められる要件

4.2 コネクタ開発の挑戦と成果

開発担当者の声

「洗濯試験においては、コネクタの実装部だけでなく生地全体に大きな負荷がかかるという課題に直面しました。特に難しかったのは、洗濯機の強い水流や回転による物理的ストレスが、繊細な電子部品と繊維の接合部に与える影響でした。」

開発チームは幾度にもわたる洗濯テストを実施し、その過程で様々な問題に遭遇しました。コネクタとの接続部分は導通していても、他の部分で導電繊維が破断してしまったり、導電インクパターンが剥がれることで導通が確保できないといった現象が頻発しました。 これらの問題を解決するため、複数の素材メーカーと協議し、洗濯による負荷に耐えうる導電繊維の選定を進めました。また、ラバーシートとインクの接着性を高めるための特殊な前処理工程の開発や、洗濯後も安定した導通性を維持できるパターン設計など、多岐にわたる技術的課題に取り組みました。

結果として、一般的な家庭用洗濯機での標準コース50回の洗濯にも耐えうる耐久性を実現し、スマートテキスタイルの実用化における大きな障壁を克服することができました。この成果は、衣料品としての日常的な使用と電子機器としての機能性を両立させる上で非常に重要な意味を持っています。

開発担当者の声

課題1
洗濯機の水流や回転による物理的負荷への対応

down-arrow

解決策
複数の素材メーカーと協議し、
洗濯による負荷に耐えうる導電繊維の選定

課題2
導電インクパターンの剥離による導通不良

down-arrow

解決策
ラバーシートとインクの接着性を高めるための
特殊な前処理工程の開発

成果:家庭用洗濯機での標準コース50回の洗濯にも耐えうる耐久性を実現

技術的なお問合せや 協業に関するご相談等、 お気軽にお問合せください。

4.3 ユーザビリティと企業への配慮

繊維の生地の開発や、縫製作業を取り扱われている企業にとって、コネクタは必ずしも身近な製品ではありません。電子部品の世界と繊維製品の世界は、これまで別々の領域として発展してきたため、両者をシームレスに融合させることは大きな課題でした。

本コネクタは特別な工具や専門知識を必要とせず、馴染みのある金属かしめやシリコンボディを通常の縫製工程で取り付けられる構造を採用しました。 またコネクタ嵌合方法はマグネットタイプとスプリングロックタイプの2種類を用意しており、ご検討の用途に応じてタイプを選択いただけます。

スプリングタイプ しっかり嵌合

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  • バネの力で安定した高い接触信頼性。
  • スポーツなど激しい動きの用途に。

マグネットタイプ 簡単着脱

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  • 少しの力で簡単に着脱可能。医療など日常的な作業に。
  • 不意の強い力で外れるので、コネクタ破損を防ぎます。

5.技術革新と市場拡大への展望

5.1 さらなる多極化への対応

市場の拡大に伴い、さらなる技術革新が求められています。特に重要な研究課題としては、より複雑な機能を実現するための多極化への対応が挙げられます。多数の信号線を扱えるようになることで、より高度なセンシングや制御が可能となり、医療やスポーツ分野での応用範囲が広がるでしょう。

5.2 小型化製品の開発

ウェアラブルセンサーの快適な着用感を実現するために、コネクタのさらなる小型化も重要な課題です。現行製品よりもさらにコンパクトな製品の開発を進めることで、日常生活における違和感のない装着感を追求していきます。これらの課題に取り組むことで、スマートテキスタイルの用途拡大と市場普及に向けて取り組みます。

小型化・多極化への対応
<現在>

洗濯耐久性と着脱容易性を
両立したコネクタの実用化

<短期>

多極化と小型化の実現による
応用範囲の拡大

<長期>

完全一体型
スマートテキスタイルの実現

技術開発ロードマップ
roadmap
普及を加速する4つの鍵
  • 技術標準化の進展
  • 製造コストの低減
  • 消費者の健康意識の高まり
  • 医療・スポーツ分野での活用

6.活用分野と新たな可能性

6.1 主要な応用分野

医療・ヘルスケア
  • 継続的な生体モニタリング
  • 病気の早期発見
  • 遠隔医療の支援
医療・ヘルスケア

スポーツ

  • パフォーマンス向上
  • 怪我予防のためのフォーム分析
  • トレーニング効果の最適化
スポーツ
エンターテイメント
  • ゲームやVR体験の向上
  • ライブパフォーマンス演出
エンターテイメント
ファッション
  • 機能性とデザイン性を両立した新しい衣服
  • 環境に応じて変化する衣服
ファッション

6.2 建築分野への展開

本技術の応用は衣服だけでなく、建築分野でも注目されています。環境モニタリング機能を持つスマートカーテンや、温度調節機能付きの内装材など、建築材料としての可能性も広がっています。

7. よくある質問(FAQ)

Q1:スマートテキスタイルとは何ですか?
A:センサーや電子部品を繊維に組み込み、体温や心拍などのデータを取得できる衣服や布製品です。医療、スポーツ、ヘルスケアなど幅広い分野で活用されています。

Q2:スマートテキスタイルの安全性はどう確保されていますか?
A: 肌に触れる素材は安全性を考慮し、電気的安全性も国際規格に準拠した試験を実施することで安全性を確保できます。

Q3:スマートテキスタイルのメリットは何ですか?
A: 衣服全体でデータを取得できるため、ウェアラブル端末より正確な情報が得られます。快適性やデザイン性を損なわない点も大きな特徴です。

Q4: どんな分野で活用されていますか?
A: 医療・介護での健康管理、スポーツでのフォーム解析、建築現場での安全管理、さらにファッションやエンタメ分野でも応用が進んでいます。

Q5: スマートテキスタイルの市場規模や今後の展望は?
A: 市場は拡大傾向にあり、特に医療・ヘルスケア分野で需要増加が見込まれます。小型化や多極化技術の進展で用途はさらに広がる見込みです。

Q6: スマートテキスタイルの課題は何ですか?
A: 洗濯耐久性、コネクタの小型化、コスト低減、標準化が主要課題です。業界団体や研究会で解決に向けた取り組みが進んでいます。

Q7: スマートテキスタイル研究会などの業界団体はありますか?
A: はい、国内外で複数の団体が活動し、技術標準や安全性ガイドラインを策定しています。
例:スマートテキスタイルコンソーシアム、Smart Textile Alliance

Q8: 洗濯時の注意点はありますか?
 A: 通常の洗濯が可能ですが、漂白剤や高温乾燥は避けてください。JIS L 0217準拠の試験をクリアした製品は、適切な方法で長期間使用できます。

Q9: 展示会で実物を見ることはできますか?
A: SMKは2025年1月のウェアラブルEXPOで出展展示しました。今後の展示については弊社ホームページでご確認ください

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