コネクタ

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太陽電池モジュール用コネクタの技術

地球温暖化問題で太陽光が次世代エネルギーとして注目を集め太陽光発電システム市場が世界的に急拡大している。  日本においても、2009年1月に住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金、2009年11月に余剰電力買取り制度が相次いで導入され、市場が急拡大している。
このような状況下、太陽電池モジュール用コネクタ市場にも国内外の多くのメーカーが参入してきている。 太陽電池モジュール用コネクタは中継ボックス(Junction-Box)から取り出したケーブルの端部にオス、メス1対取り付けられ、設置現場で太陽電池モジュール同士をつなぎ合わせる目的で使用される。
コネクタは太陽電池発電システムにおいて重要な部品であり、欧州、米国では規格化され、認証されたものが主に使用されている。

【太陽電池モジュール用コネクタの規格】


欧州では、ドイツTUV規格認証されたものが使用されていたが、TUV規格からDIN規格さらに欧州統一規格であるEN50521に移行している。
機械的性能、電気的性能、温度サイクル、Dump Heat、耐候性、防水・防塵・安全性など多くの試験項目の評価が行われ、認証されている。
米国ではモジュール規格:UL1703、コネクタ規格:UL1977、材料規格:UL746に基づき製品評価が行われ認証される。
UL独特の安全性の立場で評価され、樹脂材料としては、難燃性、CTI値、RTI値、低温衝撃性能などに優れた材料で、かつ屋外使用に耐えるf1仕様などが要求される。
太陽電池モジュール用コネクタの安全性に対するUL規格要求(UL1703)は厳しく、Junction-Boxでは要求されない、非常に過酷な耐衝撃性、耐低温衝撃性が要求される。
また2008年からNEC(National Electrical Code)要求に基づき「解除工具なしに容易に嵌合をはずせないこと」という要求も追加されている。
日本では現在太陽電池モジュール用コネクタとしての規格はないが、欧州規格に準拠したもので規格化される動きである。

【太陽電池モジュール用コネクタの動向】

太陽電池モジュール用コネクタは屋外で使用されることから、一般のコネクタとしての性能はもちろんであるが、上述した規格にて耐候性、難燃性、安全・防水・防塵性に非常に厳しい性能が要求される。またコネクタ形状の規格はなく、多くのメーカーが各社それぞれの形状にて開発している。
従来はPA、PBTなどで端子を一体成形絶縁し、さらにTPEなどのブーツでオス、メスの丸型コネクタとし、ブーツの嵌合で防水性を確保しているものが多い(図1)。
  現在は嵌合が外れないよう、ロック付きが主流となり、また上述したNEC要求の追加を受け、嵌合を手で外せない構造も各社にて開発されてきている。 また海外においては、現場にてケーブルAssy.する場合が多く、フィールドアセンブリータイプが主流となってきている。
防水構造は、ケーブル部においては、ネジ式カバーでRUBBERブッシュを締め付けて防水性を確保し、嵌合部は、Oリングで防水性を確保するものが主流となってきている(図2)。 また安全・防水・防塵に対する保護等級はEN規格ではIP55以上が要求されるが、IP67仕様が主流となり、定格電流もシステムの大型化により20A⇒30A定格が一般的となってきている。
それに伴い接触部構造は、ベリリウム銅などのバネ性能の優れた多点接触バネを内部に組み込んだ構造、電気伝導性の良い銅合金バネ材を用いた多点接触構造など、各社独自の構造で大電流化に対応している。
UL規格での安全性に対する要求は厳しく、特に低温での耐衝撃性をクリアするのは容易ではないが、要求に満足できる樹脂材料を選定し、UL規格を取得してきているメーカーも多くなってきている。
ブーツの嵌合で防水性を確保したコネクタ
【図1 ブーツの嵌合で防水性を確保したコネクタ】

ネジ式カバーとOリングで防水性を確保したコネクタ
【図2 ネジ式カバーとOリングで防水性を確保したコネクタ】

【当社の太陽電池モジュール用コネクタの技術動向】

ここでは当社が開発した製品に関して技術動向を紹介する。
PV-01シリーズ
【 写真1 PV-01シリーズ】
<PV-01シリーズ>(写真1)
UL,TUV規格取得を目指し、定格30A、保護等級IP67で、設置場所で簡単に組立て可能であることを目標に独自構造のコネクタ開発を行った。
簡単に組立て可能にするため、主流であるケーブル部ネジカバー方式ではなく、ケーブルに圧着されたターミナルを装着後、上下のカバーを嵌合するだけで組立てが完了するという構造としている(図3)。
PV-01シリーズの構造
【図3 PV-01シリーズの構造】
また、あらかじめハウジングに組み込んだラバー部に、ケーブルを挿入することで防水性を確保している。嵌合時の防水はOリングにより確保している。
ハウジング(絶縁)材料は難燃性、CTI、RTI、耐衝撃性に優れ、かつ屋外使用に耐えるULf1材を使用している。
端子接触部は多点接触とするため、ベリ銅などのバネを別ピースとして設けない独自構造とし、部品点数を可能な限り少なくしている。 その目的で近年銅合金材料メーカーが開発に注力している、電導性の優れた銅合金バネ材を採用し、大電流化、および接触性能の安定化を図っている。
これらの構造により、部品点数を極力少なくし、価格において有利なものとしている。 また、ロック付き構造とし、手で外せない製品と、手で外せる製品両方に対応している。
ターミナル圧着部はAWG10~AWG16と幅広く対応し、フィールドAssy.用ハンドツールも用意している。
 本品はUL及び、DIN-EN規格を取得している。
PV-02シリーズ
【 写真2 PV-02シリーズ】
<PV-02シリーズ>(写真2)
上述のPV-01シリーズは、接触性能、安定した防水性能、優れた作業性が評価されているが、小型品の要求にこたえるため、PV-02はPV―01と基本構造は同一で防水部構造、ロック部構造などを見直し、PV-01に対し55%小型化を図った。また嵌合時ターミナルが接触する前に防水となる、シーケンス構造を取り入れている。
ターミナルは圧着部AWG10~AWG14に対応し、フィールドAssy.用ハンドツールも用意している。
本品は、DIN-EN規格を取得し、UL規格申請中である。
PV-03シリーズ
【 写真3 PV-03シリーズ】
<PV-03シリーズ>(写真3)
海外においては、いち早くTUV、およびULを取得した海外メーカーのコネクタが主に使用されている。
 海外で大規模に設置されるシステムでは、様々なメーカーから太陽電池モジュールを集めて発電システム化される場合が多く、上述のコネクタと嵌合するコネクタの要求が根強い。 このような要求にこたえるため、本シリーズ品の開発を行った。
 防水部構造は性能が安定しているPV-01、PV-02シリーズと同一で、ターミナルはPV-01シリーズと共用、カバー部はPV-02シリーズと共用している。
 本品は、DIN-EN規格を取得し、UL規格申請中である。
PV-04シリーズ
【 写真3 PV-04シリーズ】
<PV-04シリーズ>(写真4)
国内で設置される発電システムにおいては、海外向け用のコネクタとは異なり、UL規格に未対応の小型品が要求される場合が多い。このような要求にこたえるため、本シリーズ品の開発を行った。
 基本の防水構造はPV-01、-02、-03と同一で、小型化の目的で上下カバー方式ではなく、1個の丸型カバーとしている。
PV-01シリーズのターミナルを共用し、ターミナルが圧着されたケーブルを挿入するのみで、組立てが完了する、非常に簡単な構造を取り入れている。
  本品は、DIN-EN規格を取得している。
現在、多くのメーカーがこの市場に着目し、コネクタにおいても多くのメーカーが参入し開発競争を繰り広げている。 
シートタイプ太陽電池モジュール用コネクタ、分岐タイプコネクタ、J-BOX一体型コネクタなど多くの市場要求があり、当社もこれらに対応すべく開発を促進して行きたい。
最後に、現在太陽電池モジュール用コネクタのUL認証は米国においてのみ行われ、認証までに非常に長い期間が掛かっている。本年9月伊勢PV試験所が開設され、コネクタ以外のUL認証が日本にて可能となるが、コネクタの認証も可能となることを期待したい。



筆者:SMK株式会社 CS事業部 
出典:電波新聞 2010年9月2日 特集「コネクタ技術」

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